皆さまこんにちは！お茶の葉楽（ようらく）です。

お茶業界を取り巻く環境は、日々めまぐるしく変化しています。最近では、国際的な関税問題や輸出入の規制、さらにはバブルティーの巨大IPOといった話題が次々と飛び込んできています。

「海外のお茶事情は自分たちの店に関係あるの？」と思われるかもしれませんが、実はこうした動きが日本の飲食店にも少なからず影響を与えているのです。今回は、世界のお茶業界で今何が起きているのか、そしてそれが私たちのビジネスにどんなヒントをもたらすのかを分かりやすく解説します。

アメリカの関税免除措置がもたらす混乱

まず注目したいのが、アメリカの関税免除措置です。米国では一部のお茶製品に対して関税が免除されるケースが出てきていますが、その適用範囲や条件が非常に分かりにくく、現場は混乱しています。輸入業者は「どのお茶が免除対象なのか」「いつまで適用されるのか」といった情報を正確に把握しづらく、結果として価格設定や仕入れ計画に大きな影響が出ています。

このような不透明な状況は、グローバルサプライチェーン全体に波及します。日本の飲食店も、海外産のお茶や原料を使っている場合、今後の価格変動や供給遅延に備えておく必要があるでしょう。たとえば、メニューの一部を国産茶に切り替える、仕入れ先を複数確保するなど、リスク分散の工夫が求められます。

ネパール茶輸出に影を落とす「二次制裁」リスク

次に、ネパールのお茶業界が直面している「二次制裁」リスクについてです。最近、ネパールの銀行が国際的な制裁の影響を恐れ、輸出取引に慎重になっています。これにより、ネパール産のお茶が海外市場に出回りにくくなり、輸出量の減少が懸念されています。

ネパール茶はその独特な香りや味わいで近年人気が高まっていますが、こうした地政学的リスクによって、安定供給が難しくなる可能性も。飲食店としては、特定産地のお茶に依存しすぎないメニュー構成や、期間限定で希少なネパール茶を訴求するなど、柔軟な対応がポイントです。

バブルティーIPOが示すお茶ビジネスの新潮流

一方で、明るいニュースもあります。中国発のバブルティーチェーンが香港市場で過去最大規模のIPO（新規株式公開）を実現し、世界中の投資家から注目を集めました。その調達額はなんと4億4400万ドル（約670億円）にものぼり、バブルティーが単なる一過性のブームではなく、グローバルな成長産業であることを証明しています。

この動きは、飲食店にとっても大きなヒントです。バブルティーのように、若年層や多国籍な顧客層を意識した新しいお茶メニューを開発することで、集客や売上アップにつなげるチャンスが広がっています。たとえば、季節限定のタピオカドリンクや、和素材と組み合わせたオリジナルティーなど、独自性のある商品開発が今後ますます重要になるでしょう。

世界の動きから学ぶ、飲食店のためのお茶戦略

今回ご紹介したような国際的なニュースは、一見遠い話のようでいて、実は私たちの日々のビジネスにも直結しています。「お茶」は今やグローバルな商材。海外の動向を敏感にキャッチしながら、自店の強みや地域性を活かしたメニュー展開・仕入戦略を考えることが、これからの飲食店経営には欠かせません。

たとえば、店頭POPで「産地ストーリー」を発信したり、サステナブルな茶葉を使ったメニューを打ち出したりすることで、他店との差別化も図れます。お茶を通じて、ちょっと特別な体験をお客様に届けてみてはいかがでしょうか。

世界のお茶業界の動きを味方につけて、店舗の魅力アップを目指しましょう。それでは、また次回の記事でお会いしましょう！