世界のお茶市場に新たな波―貿易摩擦、ケニアの快挙、そして「スローTEA」認証の時代へ
皆さまこんにちは!お茶の葉楽(ようらく)です。
世界のお茶市場が、今まさに大きな転換期を迎えているのをご存じでしょうか?最近では、国際的な貿易摩擦の影響や新たな認証制度の登場、さらにはケニアの記録的な輸出収益など、業務用お茶を取り巻く環境が大きく動いています。
「お茶を使った新しい売り方は?」「これからの飲食店経営に役立つトレンドは?」とお悩みの方に、今回は世界の最新動向と現場で活かせるヒントをお届けします。
お茶が「貿易戦争」の主役に?グローバル市場の新潮流
近年、世界各国でお茶が国際的な貿易摩擦の一端を担う存在となっています。特にアジアやアフリカの主要生産国と欧米市場との間で、関税や品質基準を巡る議論が活発化。これにより、輸出入の流れや価格設定にも大きな影響が出ているのが現状です。
たとえば、ある国では環境基準や労働条件の厳格化を求める動きが強まり、これに応じられない生産者は市場から締め出されるリスクも。逆に、基準をクリアしたお茶は「サステナブル」や「フェアトレード」として高付加価値で取引されるようになっています。
飲食店の皆さまにとっても、こうした世界的な流れは無関係ではありません。今後は「どんなお茶を選ぶか」が、単なるコストや味だけでなく、店舗のブランド価値やお客様の信頼に直結する時代になってきています。
ケニアが記録的な輸出収益を達成―その背景と日本へのヒント

アフリカ最大のお茶生産国であるケニアが、近年過去最高の輸出収益を記録しました。これは、世界的な需要増加とともに、現地の生産者が品質向上やサステナブルな取り組みを強化した成果です。
ケニア産のお茶は、コストパフォーマンスの高さと安定した品質で知られ、業務用としても世界中の飲食店やホテルで重宝されています。特に、ブレンド用やアイスティー向けに最適な品種が多いのが特徴です。
日本でも、近年は海外産のお茶を上手に取り入れたメニュー開発が注目されています。たとえば、ケニア紅茶を使ったミルクティーや、スパイスと組み合わせたオリジナルティードリンクなど、差別化メニューのヒントがたくさん。コスト変動が激しい時期こそ、産地の多様化や新しい提案が売上アップのカギとなります。
「スローTEA」認証とは?―新しいお茶の価値基準

イタリア発の「スローTEA」運動が、今世界中で注目を集めています。これは、食文化の多様性や伝統を守る「スローフード」運動から派生したもので、お茶にも「グッド(美味しい)・クリーン(環境にやさしい)・フェア(公正な取引)」という新たな価値基準を提案しています。
最近では、スローTEAアライアンスという国際的な団体が、てんとう虫マークの第三者認証ラベルを開始。これにより、消費者や飲食店が「本当に良いお茶」を見極めやすくなりました。認証を受けたお茶は、品質だけでなく生産背景や環境への配慮も保証されるため、今後はメニューや店頭POPで「ストーリー」を伝えることが差別化のポイントになりそうです。
- 産地や生産者のストーリーをメニューに記載
- サステナブル認証のお茶を使った限定メニュー
- お客様への説明や試飲イベントの実施
こうした取り組みは、健康志向やエシカル消費が高まる中で、お客様の共感を呼びやすくなっています。
中国発・新興ティーブランドのIPOも話題に
さらに最近では、中国の新興ティーブランドが米国でIPO(株式上場)を果たすなど、お茶業界のグローバル化が加速しています。これにより、今後は世界中で多様な業態やコンセプトのティーショップが登場し、消費者の選択肢もますます広がるでしょう。
飲食店としては、こうした海外のトレンドをいち早くキャッチし、自店のメニューやサービスに取り入れることが競争力アップにつながります。たとえば、産地別のティーフライトや、現地スタイルのティーカクテルなども面白いかもしれません。
まとめ―お茶で“ちょっと特別”な体験を

世界のお茶市場は今、かつてないスピードで変化しています。貿易摩擦やサステナブル認証、産地の多様化など、これらの動きをうまく活かすことで、飲食店の魅力や売上アップにつなげることができるはずです。
これからも葉楽では、業務用お茶の最新トレンドや現場で役立つヒントをお届けしていきます。それでは、また次回の記事でお会いしましょう!
